【アイハウス・プレス】 Japan and Its Worlds: Marius B. Jansen and the Internationalization of Japanese Studies

Japan and Its Worlds:Marius B. Jansen and the Internationalization of Japanese Studies Edited by Martin Collcutt, Kato Mikio, and Ronald Toby

Martin Collcutt, 加藤幹雄, Ronald Toby 編集
312ページ/2007年/ハードカバー
ISBN 978-4-903452-08-1

国際文化会館が主催した「ジャンセン教授追悼会議」(2001年)で発表された論文とジャンセン教授の人と業績に焦点を当てた論文集

定価 3,143円/優待価格* 2,200円(税込)
*優待価格は国際文化会館会員の方に適用されます。
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外国人による日本研究の古典的名著『坂本竜馬と明治維新』の著者として知られるマリウス・ジャンセン(プリンストン大学名誉教授)は、2000年12月に没した。ジャンセン教授のもう一冊の名著The Making of Modern Japanが刊行された直後であった。ジャンセン教授の業績は、日本や米国はもとより、ヨーロッパやアジアにおいても高く評価され、その温厚な人柄とともに、広く世界の歴史研究者の敬愛を集めていた大きな存在であった。日本の歴史を世界の歴史経験というグローバルな枠組みの中に当てはめてその関連性を求め、位置づけを試みる比較史学の手法を日本史研究に導入する先駆者的役割を果たした。

この本は、ジャンセンを敬愛した旧友や教え子などによる論文やエッセー――その多くはジャンセン追悼記念シンポジウム(2001年)で発表されものである――を収録したものであり、それぞれがジャンセン的歴史研究アプローチに焦点を当てている。すなわち、4編は、徳川封建社会が短期間で近代産業社会へ急速に移行した日本近代化に対する歴史解釈枠組みの変化に焦点を当て、2編は歴史におけるローカルとナショナルの関係、すなわち地方史を全国史の中にどう位置づけるかをめぐる問題について、そして残りは日本とさまざまな外部世界との錯綜した相互作用関係に光を当てている。これらすべての論文やエッセーは、ジャンセン教授の研究者、教育者としての暖かい人間性、独特のユーモア、部分の精緻な観察と分析から全体の輪郭をたくみに描き出す卓越した能力と文学性さえ感じさせる表現スタイルなどに対する深い憧憬に満ちている。ジャンセン教授は、国際文化会館創設にかかわった人々(高木八尺、松本重治ら)とほぼ半世紀におよぶ密接な関係があった。その交流を通じて比較史学観が深化していく足跡をたどりながら、国際文化会館設立の時代背景とその初期活動を丹念に振り返ったエッセーも巻末に収録されている。