現代インド理解セミナー

【日印国交樹立60周年記念】
「ビジネスパーソンのための現代インド講座 ~インドをよく知る7日間~」

Image: Flyer日本企業のインド進出は、他国と比べ遅れをとってはいるものの、現在では800社以上がビジネスを展開しています。進出時は華々しく報道される一方、事業が軌道に乗らず、撤退を余儀なくされた多くの例はほとんど報道されません。失敗にはさまざまな原因が考えられますが、そのほとんどが、突き詰めればインドやそこで暮らす人々への理解不足に起因するのではないでしょうか。
本セミナーでは、財務や労務などの実務上のノウハウではなく、インドで仕事をするビジネスパーソンが必ずおさえておくべきポイントを紹介しながら、政治、経済、社会、文化など、より大きな視点で急速に変化する現代インドをとらえます。

Photo:Sakakibara Photo:Sinha

日時: 2012年9月5日~10月18日 (毎水曜日、もしくは木曜日に開催、全7回)
7:00~8:30 pm 講義、質疑応答
8:30~9:00 pm 懇親会
対象: どなたでもご参加いただけます。特に、インドへ進出している企業、これから進出を考えている企業、インドとの取引がある企業の社員の皆様のご参加を歓迎いたします。
定員: 各回 100名
参加費: 一般: 15,000円 (全7回一括申し込み)、3,000円(1回ごとの申し込み)
国際文化会館、日本経済研究センター、日印協会の会員または会員(法人)企業社員の方: 10,000円 (全7回一括申し込み)、2,000円(1回ごとの申し込み)
主催: 公益財団法人 国際文化会館
助成: 財団法人 MRAハウス
後援: 公益社団法人 日本経済研究センター、公益財団法人 日印協会

テーマ・講師

第1回 2012年9月5日(水) 7:00~9:00 pm

写真:榊原 英資

「世界の中のインドと日印関係」

「なぜインドなのか」、「なぜ人びとはインドをめざすのか」という根源的な問いに対して、インド経済研究所の理事長を務める榊原英資氏が、グローバルな視点から、世界の中での今後のインドの役割や位置づけ、日本やその他のアジア諸国との関係などについて、大局的見地から解説する。

榊原 英資 (財団法人インド経済研究所 理事長 / 青山学院大学 教授)

1941年生まれ。東京大学経済学部卒業後、大蔵省(当時)入省。1969年ミシガン大学にて経済学博士号取得。財政金融研究所所長、国際金融局長を経て、1997年財務官に就任。1999年に退官後は、慶應義塾大学、早稲田大学を経て、2010年4月から青山学院大学教授。『インド巨大市場を読み解く』(共著、東洋経済新報社、2005年)、『インド・アズ・ナンバーワン』(朝日新聞出版、2011年)他、インドに関する著書を発表するなど、インド経済・社会に精通している。

第2回 2012年9月12日(水) 7:00~9:00 pm

写真:島田 卓

「インド・ビジネスは—Acting is believingで!」

インドを頭で理解するだけではビジネスの成功はおぼつかない。ではどうしたらいいのか?—邦銀のインド支店勤務を経て、インドへ進出する日本企業へのアドバイスを行う島田卓氏が、インドでビジネスを手掛ける皆様と一緒に考え、インドビジネスへのアプローチを模索し、いかに行動すべきかを提案する。

島田 卓 (インド・ビジネス・センター 代表取締役会長)

1948年生まれ。明治大学商学部卒業後、1972年に東京銀行入行。本店営業部、ロサンジェルス支店等を経て、1991年インド・ニューデリー支店次長、1995年アジア・オセアニア部次長。1997年同行退職。同年4月に㈱インド・ビジネス・センターを設立、代表取締役社長に就任。主な著書に『インドビジネス驚異の潜在力』(祥伝社新書、2006年)、『スズキのインド戦略』(監訳、中経出版、2006)など。

第3回 2012年9月19日(水) 7:00~9:00 pm

写真:竹中 千春

「『インド式』民主主義のおもしろさ
~代表・対立・交渉・合意」

政府、会社、大学のいずれにせよ、インドの人々と円滑な「おつきあい」をしていくコツは、「インド式」民主主義をしっかり理解しておくことにある。「グローバルなインド」と「草の根のインド」をダイナミックにつなぎ、巨大国家を動かす「世界最大の民主主義」を多角的に分析する。

竹中 千春 (立教大学法学部 教授)

1979年東京大学法学部卒業。東京大学法学部助手、明治学院大学国際学部助教授、教授などを経て、2008年より現職。専門は、国際政治・南アジア政治・インド現代史・ジェンダー研究。主な著書に『盗賊のインド史――帝国・国家・無法者』(有志舎、2010年)、『講座現代アジア研究第2巻 市民社会』(編著、アジア政経学会監修、慶應義塾大学出版会、2008年)など。

第4回 2012年9月27日(木) 7:00~9:00 pm

写真:藤井 毅

「現代インドの社会問題」

現代のインドにおいて、公務員の採用と昇進や高等教育機関への入学時に特定のグループに枠を設ける「留保」の適用範囲は、次第に拡大され、女性やプライベート・セクターにおいても義務化しようとする動きもある。一方、留保の対象者は、大票田でもあり、政治的な影響力をもつ。この回では、インド特有の社会問題を考える。

藤井 毅
(東京外国語大学大学院 総合国際学研究院 教授 地域・国際コース:ヒンディー語)

1955年生まれ。南アジア近現代史・南アジア地域研究・ヒンディー語専攻。インド、デリー大学人文系大学院、東京外国語大学大学院修了。著書に『歴史のなかのカースト』(岩波書店、2003、2008)、『インド社会とカースト』(山川出版社、2007、2010)など。近年は、南アジア史資料論に関心を寄せている。

第5回 2012年10月4日(木) 7:00~9:00 pm

写真:小島 眞
 

「インド経済:その強みと今後を探る」

インド経済の強みはどこにあり、今後どのように発展していくのか。「中間層」、「印中比較」、「タタ・グループ」、「民間主導」、「民主主義」、「在外インド系人」など、現在のインド経済を語る上で欠かすことのできない、いくつかのキーワードからインド経済の今後を探る。

小島 眞(拓殖大学国際学部 教授)

1946年生まれ。慶應義塾大学博士(経済学)。千葉商科大学教授を経て、2000年より拓殖大学国際学部教授。財務省「インド研究会」座長、日印合同研究会委員などを歴任。主な著書に『現代インド経済分析』(勁草書房、1993年)、『インド経済がアジアを変える』(PHP研究所、1995年)、『インドのソフトウェア産業』(東洋経済新報社、2004年)、『タタ財閥』(東洋経済新報社、2008年)など。

第6回 2012年10月10日(水) 7:00~9:00 pm

 
 

本講座は、チャンドラニ氏がやむを得ない事情によりインドへ緊急帰国されたため、講師を変更させていただきます。同日は、サンジーヴ・スィンハ氏(株式会社サンアンドサンズアドバイザーズ代表取締役社長)をお招きし、講座を開講いたします。

サンジーヴ・スィンハ
(株式会社サンアンドサンズアドバイザーズ 代表取締役社長)

1973年インド ラジャスターン州生まれ。1995年インド工科大学(物理学士)卒業後、インドの大手製造業 ゴドレジ社に入社。その後、ゴールドマンサックス証券ビジネスアナリスト、みずほ証券 業務開発グループ次長、UBS証券 新規事業ディレクターなどを経て、2008年に日印の架け橋となるコンサルティング会社サンアンドサンズアドバイザーズを設立。マッコーリー大学修士課程にて応用ファイナンス修士号も取得。

※上記に変更になりました。
「文化の差から探るインド式ビジネス」

35年間にわたり日本とインドでビジネスを展開し、日本社会とその国民性を熟知しているチャンドラニ氏ならではの視点で、日本式も東南アジア式も通用しない、インド式ビジネスへのヒントを模索する。

ジャグモハン・チャンドラニ
(ジャパンビジネスサービス有限会社 代表取締役 / 江戸川インド人会 会長)

写真:チャンドラニ1952年インドのコルカタ生まれ。デリー大学卒業後、1978年貿易商を営む父親の事業拡大のため来日。現在、インドの紅茶や食品の輸入ビジネスなどを手がけるかたわら、「江戸川インド人会」会長として、在日インド人への支援、日本人とインド人との草の根交流の促進などにも尽力。約2万人といわれる在日インド人のうち、一割あまりが西葛西に住んでおり、同地にインド人が集まったのは、住宅や食事の相談など、世話役を務める同氏の存在が大きい。

第7回 2012年10月18日(木) 7:00~9:00 pm

写真:堀本 武功
 

「インドの可能性」

今の時代、インドそしてインド人と付き合うということは、特別なことではなく、至極普通のことになっている。しかし、今後のインドがどうなりそうか、という辺りになると分かりにくい。そこで、経済、政治、科学技術など様々な分野における「インドの可能性」や「インドの未来」を検討し、はたして「インド・モデル」という状況が生まれるのか否かを考える。

堀本 武功(京都大学大学院AA地域研究研究科 特任教授)

国立国会図書館調査及び立法考査局長、尚美学園大学教授などを経て現職。専門は米アジア政策・南アジアの国際政治。主な著書に『インド―グローバル化する巨象』(岩波書店、1997年)、『軍事大国化するインド』(共編、亜紀書房、2010年)など。

モデレーター

写真:山田 剛

山田 剛 (公益社団法人日本経済研究センター 主任研究員)

1963年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本経済新聞社入社。バーレーン支局長兼テヘラン支局長、ニューデリー支局長などを経て2008年より現職。研究テーマはインド・南アジアの経済・政治。主な著書に『インド—目覚めた経済大国』(日経ビジネス人文庫、2007年)、『知識ゼロからのインド経済入門』(幻冬舎、2012年)など。明治大学国際日本学部非常勤講師も務める。

写真:近藤 正規

近藤 正規 (国際基督教大学教養学部 上級准教授)

1961年生まれ。スタンフォード大学博士(開発経済学)。アジア開発銀行、世界銀行等にて勤務の後、1998年より国際基督教大学助教授、2007年より現職。2006 年よりインド経済研究所客員主任研究員、日印協会理事を兼任、2011年よりハーバード大学客員研究員。財務省「インド研究会」座長、日印合同研究会委員なども務める。主な著書に『現代インドを知るための60章』(共著、明石書店、2007)など。

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