【本講演の編集を施したテキストが、国際文化会館会報 Vol.21, No.2, 2010に掲載されています。】
- [アイハウス・アカデミー/牛場記念フェローシップ公開講演]
- 講師: ジェイムズ・クリフォード
(カリフォルニア大学サンタ・クルーズ校特別功労教授 - 牛場記念フェローシップ 第四回招聘フェロー)
- 司会: 太田好信(九州大学大学院比較社会文化研究院教授)
- 日時: 2010年6月23日(水)7:00 pm
- 会場: 国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
- 会費: 1,000円(学生:500円、割引料金*:無料)*割引料金は国際文化会館会員の方に適用されます。
- 用語: 日本語/英語(同時通訳付き)
クリフォード教授は、現代世界における“先住民”の新たな台頭に関する比較研究に現在携わっています。本講演は、トランス・ナショナルな勢力とローカルな文化的政治の弁証法を探求し、先住民たちの残存と変貌が、いかにわたしたちに対してグローバルな歴史の定説化されてきた考え方を再考するように迫るかという考察を行います。わたしたちはみな、一緒にそして個別に、この21世紀において、どこへ向かっているのでしょうか。この疑問は、新たな喫緊性と、そして不確実性をともない、わたしたちの前に立ち現われています。
略歴:ジェイムズ・クリフォード
人類学の領域で自明とされてきたさまざまな概念や方法論を疑問視してきた文化批評家であり、「ポスト・モダン」の旗手として世界的に知られています。ハーバード大学にて博士号(Ph.D.)(歴史学)を取得し、1978年よりカリフォルニア大学サンタ・クルーズ校「意識の歴史プログラム(History of Consciousness)」における学際プログラムにて教鞭をとる。ロンドン大学およびイエール大学においても人類学の客員教授を歴任。主著に、『人類学の周縁から』 (人文書院2004)、『文化の窮状:二十世紀の民族誌、文学、芸術』 (人文書院2003)、『ルーツ:20世紀後期の旅と翻訳』 (月曜社2002)、『文化を書く』(ジョージ・マーカス共編、紀伊國屋書店1996)など。数多くの著書が外国語に翻訳され、芸術や文化研究などの幅広い分野で多大な知的影響を及ぼしています。
専門・関心:文化人類学