The Edo Inheritance By Tokugawa Tsunenari (Eighteenth Head of the House of Tokugawa)
徳川恒孝 著 (徳川家広 訳)
徳川恒孝 著 (徳川家広 訳)
First English edition/2009年/212 ページ/ハードカバー
ISBN 978-4-903452-14-2
原著:『江戸の遺伝子』(PHP 研究所、2007年刊)
定価 2,619円/優待価格* 1,832円(税込)
*優待価格は国際文化会館会員の方に適用されます。
「江戸の遺伝子」とは何か。日本では、江戸時代は幕府の鎖国政策で世界から絶望的に立ち遅れてしまった暗黒時代との見方が多い。しかし、著者の徳川恒孝によれば、それどころか、徳川時代の日本は永きに渡る泰平と広範に行き渡った繁栄の下、多くの点で他の国々より進んでいた。
100年に及ぶ内乱の無秩序状態を経て、3人の歴史上の偉人が1603年から1868年まで265年もの間続いた徳川の平和(パクストクガワ)の礎を築いた。中世の遺物を破壊した織田信長、天下を統一した豊臣秀吉、そして泰平の世を打ち立てた初代将軍徳川家康である。徳川幕府の下、治水管理でコメの収穫量は増加し、武士は有能で高潔な役人へと姿を変え、読み書き能力は全国へと普及した。18世紀の日本は世界で最も都市化され、当時最も洗練された文化を誇った。
徳川宗家第18代当主の著者は独自の視点に立ち、徳川時代を再評価する時期は十分に熟していると指摘する。実際、この急速なグローバル化と不確実性の時代に、徳川300年の泰平の世で培われた強固な文化的価値――平等主義、多くを地方自治に委ねる小さな政府、宗教的寛容、自然との共生――から世界は大いに学ぶことができる。
本書への推薦文
徳川時代(1603~1868年)――この間の日本を効果的に支配した徳川家による支配の時代――は、265年に及ぶ泰平の世を誇るべき時代なのか、それとも3世紀に渡る警察国家を作り上げた非難すべき時代なのか。本書で徳川宗家第18代当主は、時に日本の暗黒時代とも言われるこの時代を脱「悪魔化」する修正主義的な歴史観に立ち、現代の先駆けとなる時代を発見する。各方面で論議必至の注目すべき著作。
——ドナルド・リチー