2007年度 アイハウス・パブリック・プログラム

【写真展:国際文化会館とアジア知的交流―相互理解から知的ネットワーキングへ】

国際文化会館のアジア諸国への文化交流の裾野の広がりは、欧米諸国との「知的交流計画」を範とした1967年の「アジア知的協力プログラム」に始まりますが、その目的は民間のイニシアティヴによる個人対個人の知的対話を通じた日本とアジア諸国との相互理解の増進にありました。本写真展は、会館のアジア知的交流の歴史を鳥瞰し、冷戦構造下における二国間の枠組みでの相互理解の増進(発信+受信)を基軸にした人物交流から、冷戦構造崩壊後、多国間の枠組みで重層的なネットワーク構築をベースにグローバルな課題に取り組む共同作業型への変遷を辿りながら、21世紀におけるアジアの知的交流の在り方を考える機会となることを願うものです。

  • 場所: 国際文化会館ロビー
  • 期間: 2007年10月1日 ~ 2008年1月31日
  • 会費: 無料
  • 近藤 誠一近藤 誠一


    (左から)松本重治専務理事とインド首相ジャワハルラル・ネルー氏、 元インドネシア駐米大使スジャトモコ氏と前田陽一専務理事 、東南アジア研究フォーラムに出席のアジア・リーダーシップ・フェロー・プログラムのグナワン・モハマッド『テンポ』誌編集長(インドネシア)

トーク&上映会
日本のアニメーションの『源流』を探る:昭和初期のサイレント・モノクロ作品を中心に

 いまや、「アニメ」という言葉は世界共通語となり、日本のアニメーションは世界をリードする大きな存在となっています。
 日本で最初にアニメーションの製作が試みられたのは1917年。当時のアニメ作品の多くは、コンテンツは昔話、手法は漫画を基にしていました。その後、1921年には国内最初のアニメーション専門のプロダクションが活動を始めました。
 今回は、『日本アニメ・クラシック・コレクション』(デジタル・ミーム社、2007年)より、1930年前後に作られた作品を中心とした上映を行います。世界を魅了するソフトパワーの一翼を担うまでに成長した日本アニメーション――その黎明期に作られた、躍動感とユーモアあふれる作品には、現代の日本アニメに通じる美意識の萌芽が見え隠れしています。また、戦争や流行、庶民の暮らしなど、当時の世相がアニメ作品に与えた影響などについても探ります。

  • 日時: 2007年8月31日(金) 7:00 pm-9:00pm
  • 会場: 国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
  • 会費: 一般 1,500円、割引料金*800円 *割引料金は国際文化会館会員及びミーム・シネマ・サロン会員の方に適用されます。
  • 用語: 日本語/英語(通訳付き)
  • 定員: 150名
  • 主催: 財団法人国際文化会館、株式会社 デジタル・ミーム

【上演作品】

近藤 誠一近藤 誠一近藤 誠一

  • 『瘤取り』(1929 年、横浜シネマ商会)作画:村田安司、監督:青地忠三
  • 『太郎さんの汽車』(1929 年、横浜シネマ商会) 作画:村田安司、監督:青地忠三、 撮影:上野清行
  • 『村祭』(1930 年、千代紙映画社) 製作・演出・作画:大藤信郎
  • 『おい等の野球』(1931 年、横浜シネマ商会) 演出・作画:村田安司、監督:青地忠三
  • 『のらくろ二等兵~教練の巻・演習の巻~』 (1933 年)作画・演出:村田安司、 脚本:青地忠三、原作:田河水泡
  • 『海の水はなぜからい』(1935 年、横浜シネマ商会) 作画:村田安司、原案・脚色:青地忠三

司会


  • 高橋潤二郎(慶應義塾大学名誉教授、アカデミーヒルズ顧問

解説


津堅信之(アニメーション史研究者、大阪芸術大学講師)
ラーリ・グリーンバーグ
ラーリ・グリーンバーグ(デジタル・ミーム代表取締役)

連続セミナー 日米交流の「いま」を考える

日米関係は、戦後50年を経た現在、政治・経済・文化など様々な分野において、相互交流なしにはありえないほど重要なものとなっています。近年、活気あふれる中国やインドに世界の関心が集まっていますが、元駐日米国大使マイク・マンスフィールド氏の言葉「日米関係は、世界において最も重要な二国間関係である。そしてそれは他に類をみない」に象徴されるように、アメリカにとっても日本は非常に関係の深い国の一つと言えましょう。日米両国の歴史を念頭におきながら、改めてその現状や課題、さらに将来の展望について考えることは大切ではないでしょうか。このプログラムでは、日米交流・日米関係の「いま」に焦点をあて、外交、経済、メディア、文化、政治の分野のスペシャリストを招いて本音を伺います。

  • 開催日時:7月4日(水)、7月10日(火)、7月17日(火)、7月23日(月)、7月31日(火)。
    いずれも、14:00~15:30(13:30開場)
  • 使用言語:日本語
  • 参 加 費:国際文化会館会員は、9,000円(全5回一括払い)
          1回ごとの参加の場合は1回2,000円。
          一般の方は、12,500円(全5回一括払い)
          1回ごとの参加の場合は1回3,000円。
          学生の方は、1回ごとの参加で1,500円(受付で学生証を提示)。
  • 主催:財団法人 国際文化会館  財団法人 国際文化交流推進協会

7月4日(水)「150年の日米関係」 五百旗頭 真(防衛大学校長)

ペリー来航以来の日米関係は、そのまま近代日本の歴史であったと言ってもよく、戦前も戦後も三局面をたどった。初期には先生と生徒の関係に似た友好関係があり、日本の急成長によってパートナーにしてライバルという第二の局面を招来する。続く第三局面で、破局へ突き進んだ戦前に対して、戦後は経済摩擦の時代を超えての緊密化と成熟の時代と見ることが出来る。9.11テロとイラク戦争を経て、日米関係はどう展開するだろうか。

7月10日(火)「グローバル時代において変貌する日米経済関係」
グレン・S・フクシマ(エアバス・ジャパン株式会社 代表取締役社長)

日米両国の経済規模は、世界全体の4割を占めていると言われており、両国の経済連携や緊密化は世界経済や市場にいまだ大きな影響を与えている。しかし、中国並びにインドの急激な経済成長、EU経済の変化、すすむFTA締結等、変化の激しいグローバル時代において日米経済も変化を余儀なくされている。このような時代における日米企業の競争力やその連携、そしてグローバル化への対応が遅れたとされる日本企業の競争力回復の展望などについて考察する。

7月17日(火)「メディアから見た日米関係―その光と影」
千野 境子(産経新聞社取締役論説委員長)

かつて日米関係=日米摩擦と言われるほど摩擦報道が席巻した時代があったが、今日、摩 擦はメディアのテーマから消えたかに見える。しかし首脳同士の緊密化の一方、イラク情 勢の混迷、中国の台頭等、新たなファクターが関係を複雑化させている。メディアは変化 の渦中にある日米関係を十分に報道しているか。対日・対米観の形成へのメディアの影響 とは。メディアの現場で進行中の変化も含めて、メディアの視点から日米関係を考える。

7月23日(月)「アメリカ映画における日本」
平野 共余子(映画史研究家)

最近ハリウッドでは「ラスト・サムライ」「サユリ」「硫黄島からの手紙」等、日本をテーマにした作品が多い。最近の日本人の描かれ方は今までとどう違うのか、第二次世界大戦中のプロパガンダ映画「汝の敵を知れ・日本」を始め、劇映画「サヨナラ」、「ライジング・サン」等を取り上げ、戦後の日本人像の変遷を現在と比較しながらたどり、映画における日米関係を考察する。

7月31日(火)「2008年アメリカ大統領選挙と日米関係を読む」
中山 俊宏(津田塾大学国際関係学科准教授)

2008年に行われるアメリカ大統領選挙に向けて、有力候補が動き始めている。アメリカにおける初めての女性大統領誕生の可能性や、アフリカ系のオバマ氏が有力視される背景、共和党から民主党政権への移行の可能性などを中心に2008年1月に始まる大統領選挙レースにむけた今のアメリカの雰囲気と、今後の日米関係への影響について考察する。

スワーダ・アル・ムダファーラ氏 巡回講演
アラビア半島から日本の教育を問う

  • スワーダ・アル・ムダファーラ (アザン・ビン・ケイス・プライベート・スクール学校長)
  • 司会:黒田一雄(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授)
  • 日時:2007年2月2日(金)7:00~8:30 pm
  • 会場:国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
  • 用語:日本語(日英同時通訳付き)
  • 会費:無料

 
国際文化会館では2007年2月に、アラビア半島の国オマーンにある、私立学校アザン・ビン・ケイス・プライベート・スクールの校長であるスワーダ・アル・ムダファーラ氏を招聘し、会館を初め、各地でスワーダ氏の講演会を開催いたします。 スワーダ氏は、日本人として初めてオマーン人となった女性であり「外国人」としては前例がない中、1990年に5人の生徒が通う学校をスタートさせ、様々な困難に直面しながらも持ち前のヴァイタリティで学校経営を軌道に乗せ、現在ではオマーンでもトップクラスの高い教育水準を誇る、生徒数約500名の学校に育てあげました。また、ニューズウィーク(日本語版)誌では「世界が尊敬する日本人」の一人として取り上げられました。

日本とは文化・社会制度が全く異なるアラビア半島の国でスワーダ氏の学校が高い評価を受けている理 由は何かなど、スワーダ氏の教育者としてのビジョンや問題意識を通じ、岐路に立たされている今の日本の教育現場に外からの視点を投げかけます。さらには、イスラムの国オマーンの国情を踏まえ、昨今の流動的な国際情勢の中にあって多文化間の相互理解の促進にどのように取り組むべきか、お話を伺います。

その他のスワーダ氏講演予定

2月 4日(日) 大阪府大阪市(大阪国際交流センター)
「アラビア半島から日本を見る~オマーン人として生きる日本人校長先生~」
お問合せ/お申し込み先: (財)大阪国際交流センター 情報企画課
Tel: 06-6773-8182 Fax: 06-6773-8421


2月 5日(月) 山口県徳山市(「山口から考える中東・イスラム」高校生プロジェクト)
「アラビア半島から日本を見る~オマーン人として生きる日本人校長先生~」
お問合せ/お申し込み先:山口県立徳山高等学校教諭 藤村泰夫まで 
Tel: 0834-21-0099  Fax: 0834-21-0198 


2月 6日(火) 佐賀県佐賀市(NPO法人 夢の学校をつくる会)
「アラビア半島から日本の教育を問う」
お問合せ/お申し込み先:NPO法人 夢の学校をつくる会
Tel: 0952-22-6262 Fax: 0952-26-4922
E-mail: kdeshool@yahoo.co.jp


2月 7日(水) 東京都港区(NPO法人GEWEL) オープンハウス講演会
「アラブ社会で起業家として大成功している日本女性、スワーダ氏」
お問合せ/お申し込み先:NPO法人GEWEL
Fax: 03-5206-7846 E-mail :info@gewel.org


2月 8日(木) 愛知県名古屋市(愛知県国際交流協会)
「海外に学ぶ多文化共生-中東の国 オマーンの2ヶ国語教育」
お問合せ/お申し込み先: (財)愛知県国際交流協会 交流課 交流担当
Tel: 052-961-8746 Fax: 052-961-8045 E-mail: koryu@aia.pref.aichi.jp


* 本プロジェクトは全日本社会貢献団体機構より助成を受けています。