【本講演の編集を施したテキストが、国際文化会館会報 Vol.19, No.1, 2008に掲載されています。】
- 講師: ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァク 〈Gayatri Chakravorty Spivak〉
- (コロンビア大学 アヴァロン財団人文学教授/同比較文学研究センター所長;
- 牛場記念フェローシップ第一回招聘フェロー)
- 司会: 鵜飼哲(一橋大学教授)
- 日時: 2007年7月18日(水)7:00 pm-8:30 pm
- 会場: 国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
- 会費: 一般1,500円、学生1,000円、割引料金*無料 *割引料金は国際文化会館会員の方に適用されます。
- 用語: 日本語/英語(同時通訳付き)
本講演では、近刊著『他のアジア(Other Asias)』に基づき、西欧による“東方進出”という軌道を反映し、また、地政文化的にも複雑な“アジア”という概念の再考を試みます。
略歴:ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァク
1942年インド、カルカッタに生まれる。1959年カルカッタ大学のプレジデンシィ・カレッジ卒業後渡米、1967年文芸批評家のポール・ド・マンの指導の下、アイルランドの詩人W.B.イェーツに関する論文でコーネル大学で博士号(Ph.D.)を取得する。現代世界における権力と知の地政学的布置に批判的まなざしを向け、既存の知の諸前提に疑問を投げかけながら、新たな思考の可能性を切り開く思想家として世界的に名高い。
主要な著作のうち日本語訳のあるものに、『ある学問の死―惑星思考の比較文学へ』 (みすず書房、2004)、『ポストコロニアル理性批判:消え去りゆく現在の歴史のために』(月曜社、2003)、『サバルタンの歴史―インド史の脱構築』(共編著、岩波書店、1998)、『サバルタンは語ることができるか』(みすず書房、1998)、『文化としての他者』(紀伊国屋書店、1990)などがある。『ガヤトリ・チャクラヴォルティ・スピヴァク』(スティーヴン・モートン著、青土社、2005)や雑誌『現代思想 特集:スピヴァク-サバルタンとは何か』(青土社、1999)など、氏についての研究書も多数。
専門・関心:比較文学、脱構築、フェミニズム、ポスト構造主義、グローバリゼーション
略歴:鵜飼哲
一橋大学大学院言語社会研究科教授。 専門はフランス文学、哲学。主な最近の著書・訳書に、『応答する力―来るべき言葉たちへ』(青土社、2003)、『抵抗への招待』(みすず書房、1997)、ジャック・デリダ『生きることを学ぶ、終りに』(みすず書房、2005)、ジャック・デリダ『友愛のポリティックス(1・2)』(みすず書房、2003)など。