【本講演の編集を施したテキストが、国際文化会館会報 Vol.20, No.2, 2009に掲載されています。】
- 講師: ハルミ・ベフ(スタンフォード大学名誉教授)
- 司会: 岩渕功一(早稲田大学教授)
- 日時: 2009年5月13日(水)7:00 pm
- 会場: 国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
- 会費: 1,500円(学生1,000円、割引料金*無料)*割引料金は国際文化会館会員の方に適用されます。
- 用語: 日本語/英語(同時通訳付き)
本講演では、草の根レベルで「市民社会」の概念がますます拡がりを見せる中、より強い立場に置かれた人々の間で強まる文化的同質性を固持しようとする心理構造・思考様式(イデオロギー)について考えます。もはや外国人が否定できない不可欠の存在となっている昨今の日本の現況を踏まえ、市民社会と対峙する形で高まる文化的ナショナリズムの台頭について検証します。
略歴:ハルミ・ベフ
ウィスコンシン大学にて博士号(Ph.D.)を取得。ハルミ・ベフ教授は、人類学者として戦後の米国における日本研究を牽引し、また、日本を対象とする多くの米国人地域研究者の育成にも携われた第一人者。特に、人類学の視点からの「日本文化論」「日本人論」は世界的に名高い。研究の主なフォーカスは、日本の文化的アイデンティティ、グローバル化が日本にもたらす社会・文化的影響、日系アメリカ人の歴史など。日本語訳されている主要な編著書には、『日系アメリカ人の歩みと現在』 (人文書院、2002) 、『イデオロギーとしての日本文化論(増補新版)』 (思想の科学社、1997)、『日本―文化人類学的入門』(社会思想社、1977)などがあります。