【ALFP】 2001年度フェローによるプロジェクト “Linking Media and Research: Migration Case Study”

メディアのあり方と移民問題を事例にした研究調査を関連づけた共同研究プロジェクト”Linking Media and Research: Migration Case Study”は、中国、インド、韓国、 マレーシア、フィリピン、タイ、そして日本の7ヶ国の外国人移住労働者に関するメディア報道についての比較調査を含めた、国境を越える移民問題を扱ったもので、2001年度のアジア・リーダーシップ・フェロー・プログラム(国際文化会館・国際交流基金共催事業、通称:ALFP)のフェロー自身のイニシアティブによる初めての試みとして、ごく最近その一連の研究を終えました。

外部から3名の研究者の協力を得て、ALFP2001年度フェローは、アジア地域の将来にとって最重要課題のひとつであると考えられる移民問題、特に、メディアによる取り扱いと一般市民の受け止め方や政府の政策との関係に注目し、その検証を行いました。フェローたちが2001年当時考え、プロジェクトが完了した現在さらに強く確信したのは、メディア、世論、国の政策立案と移民への対応は一つの車輪の輻のようなもので、より正確な情報と配慮に満ちた責任ある報道環境によって好影響をもたらすことができるということです。そして、このプロジェクトは、メディア情報キットという形での具体的な成果を伴いました。

このトランスナショナルな研究は、移民問題と情報発信の主流をなす組織(新聞社やテレビ局)によるその報道姿勢に関する各国の報告を含め、1)歴史・文化、2)社会・政治、3)経済、4)安全保障・戦略、5)報道の傾向といった移民問題に関わる5つの重要な要素を網羅しながら、南アジア、東南アジア、東アジアにおける国境を越えた人の動きの主な動向に関する俯瞰図を提供しています。メディアはとかくセンセーショナルな報道で批判をあびますが、ALFP2001のフェローたちはジャーナリストたちがどのような情報源をもとに報道しているかというだけでなく、どのような制約を受けながら報道しているのかについても注目することが重要であると考えました。

プロジェクトの成果である「メディア情報キット」(完全版)は

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  • [Migration Project関連プログラム]

    シンポジウム “Migration Workers, Human Rights & Media: Comparison Across Asia”(2005年7月1日 韓国・ソウル)

    釜山でのリユニオン会議に続き、アン・リー氏、デーヴィド・セルドラン氏、アネク・ナカブタラ氏、リュー・ジョンスン氏(以上2001年度フェロー)及び草郷孝好氏(2004年度フェロー)の5名は、7月1日にソウルで行われたシンポジウム “Migration Workers, Human Rights & Media: Comparison Across Asia”に参加した。同シンポジウムはリュー氏が所長を務める韓国貧困問題研究所の主催で行われ、参加フェローはMigration Projectについて発表をした。この研究プロジェクトは、2001年度フェローのイニシアチブにより、2001年から2004年にかけて行われ、2001年度フェローの黄平氏、マヘンドラ・ラマ氏も参加した。ALFPはこのシンポジウムをALFPのアウトリーチプログラムの一つと位置付け、協力を行った。当日はNGO関係者、研究者、移民など100人を越える聴衆が集まり、シンポジウムは成功裡に終わった。

    報告会「移民問題とメディア-虚像と現実」(2005年3月16日 国際文化会館)

    2005年3月16日、国際文化会館において、当プロジェクトの報告会が開催され、プロジェクトに参加した二人のフェロー(マヘンドラ・ラマ及びアン・リー)にプロジェクトの研究過程と成果 を報告していただきました。また、お二人のディスカッサントをお迎えし、このようなボーダレスな取り組みとしての研究プロジェクトの意義についてコメントをしていただきました。 報告会のプログラムは

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