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- スピーカー: 山梨 知彦(建築家/株式会社日建設計 常務執行役員・設計部門プリンシパル)
- モデレーター: 藤村 龍至 (建築家)、小林 正美 (明治大学副学長)
- 日時: 2020年1月31日(金) 7:00pm
- 会場: 国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
- 用語: 日本語(通訳なし)
- 協賛:
- 参加費: 1,000円 (国際文化会館会員・学生: 500円)(要予約: 定員180名)
※懇親会のワンドリンク含む - ※本イベントにご参加の皆様に限り、Architalk宿泊体験プランをご案内しています
動画レポート
レポート
1月31日(金)、好評のアーキトーク・シリーズに登壇いただいた日建設計チーフデザインオフィサーの山梨知彦氏。「建築デザインの可能性とみらい」をテーマに、ご自身の設計にどのようにテクノロジーを使用したかを紹介しながら、「インダストリー4.0」時代の建築デザインについてお話しいただいた。
情報通信技術を活用した建築デザイン
インダストリー4.0(第4次産業革命)とは、インターネットやAIなどの技術によりあらゆるものがつながることで、より効率的なものづくりが可能になること。自動化・大量生産のMass Productionから、必要なものを必要なだけ作るMass Customizationへと社会が変化している中で、建築のものづくりも変化していると山梨氏は主張した。
例えば山梨氏が設計に携わった「神保町シアタービル」は、狭い空間に2つの劇場を備えるために、立方体ではなく面が複雑に切り取られた四角錐のような形をしている。これはコンピューターの力を借りることで、法律の制限を満たしつつ、目的が達成されるという、複雑な建築設計が可能となった例である。また機械に職人知を併用することで、これまでにない建築も生まれている。低コストでの大型木造建築を実現した「木材会館」である。木の性質を理解した熟練の棟梁が材木の状態を調整することで、木材を機械で加工できるようになったからだ。このようにコンピューターは複雑な設計条件をクリアするだけでなく、クラフトマンシップと融合させることで、今までの建築理論では達成し得なかった新しい建築デザインを可能にしているという。
インダストリー4.0時代の建築デザインの可能性
さらに山梨氏はコンピューターを活用しつつも、それを感じさせない建築デザインの可能性を提示した。
2019年に日本建築学会賞を受賞した「桐朋学園大学音楽学部調布キャンパス」は、楽器の特性に応じたレッスン室の大きさや残響性、遮音性と開放的な教室配置、住宅街になじむ外観といった複数の条件をクリアするため、3次元の仮想空間上で何回もシミュレーションを行い設計された。こうしてできた建物は、合理性のなかにも、日本の集落っぽさや、風や光の通り道が感じられるという。山梨氏は人・地球・経済・社会のあらゆる環境に配慮した複雑な設計の中に、「新しいナチュラル」を感じられる建築をつくりたいと語り、講演を締めくくった。
山梨 知彦(建築家/株式会社日建設計 常務執行役員・設計部門プリンシパル)
藤村 龍至 (東京藝大准教授・RFA主宰)
photo: Kenshu Shintsubo |
小林 正美 (明治大学教授・副学長)
国際文化会館に泊まってみませんか?
~先着10名様、Architalk宿泊体験プランのご案内
本講演会にご参加の皆様には、会の前日(1月30日)もしくは当日(1月31日)に限り、国際文化会館での宿泊をご体験いただけます。
国際文化会館は、日本近代建築の巨匠3名(坂倉準三、前川國男、吉村順三)が共同で設計した唯一の建物として知られています。本館は日本建築学会賞を受賞、2006年8月には文化庁が指定する「登録有形文化財」に登録されました。この機会に国際文化会館の建物の魅力をいつもと違う視点からお楽しみいただければ幸いです。
ご希望の方は、以下内容とともにお問い合わせフォームからご連絡ください。空室状況を確認のうえ、後日返信を差し上げます。
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