IHJ Cultural Lobby【異種間クロストーク】
第3回「デジタルと物質の交差点:新しいマテリアリティーの探求」
筧康明(東京大学大学院情報学環教授)× 池田晃将(工芸アーティスト)



スピーカー:筧康明(東京大学大学院情報学環教授)× 池田晃将(工芸アーティスト)
モデレーター:長谷川祐子(国際文化会館アート・デザイン部門ディレクター、金沢21世紀美術館館長)

 

異種間クロストーク第三弾は、「デジタルと物質の交差点:新しいマテリアリティーの探求」と題して、東京大学で物理的素材とデジタル技術体験を研究する筧康明教授と、サイバー螺鈿と称されるミクロな螺鈿技術を用いた作品群で、工芸の真髄に迫る若き工芸作家池田晃将氏のお二人をお迎えしました。工学、工芸の枠を超えて活動するお二人の対話から、デジタルと物質の境を超えた新しい創造や体験、そして人類の根源的な創造性がうかがえます。

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異種間クロストークとは:
今日の世界では、ウクライナやガザをはじめ多くの場所で秩序の均衡が失われ、回復の見通しが立っていません。また生成AI、気候変動、DE&I推進など、検討すべき課題も山積しています。国際文化会館アート・デザイン部門が実施する異種間クロストークでは、共感やコミュニケーションをもたらす「アート」の智慧が、文化や政治経済、科学などの分野をまたいで社会をつなぎ、分断の現在に対して文化・芸術の役割を斬新な視点から語り、共有することを目的としています。

Yasuyuki Kakei

筧康明(東京大学大学院情報学環教授)
2007年東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。科学技術振興機構さきがけ研究員、慶應義塾大学環境情報学部専任講師、同学部准教授を経て、2018年4月より東京大学大学院情報学環准教授。2022年4月より教授。これまでに株式会社プラプラックス取締役、MIT Media Lab Visiting Associate Professor、大阪芸術大学アートサイエンス学科客員教授などを務め、2016および2017年にはWorld Economic Forum Young Scientistsにも選出。主な受賞にACM CHI2017 Best Paper Award、ACM UIST2017 Honorable Mention、平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞、2012年度グッドデザインBest100、2005年度東京大学総長賞など。

IKEDA

池田晃将(工芸アーティスト)
1987年 千葉県出身
2014年 金沢美術工芸大学 工芸科 漆・木工コース卒業
2016年 金沢美術工芸大学大学院 修士課程 修了
2019年 金沢卯辰山工芸工房 修了
現在 金沢市内に工房を構える

主な展覧会は「虚影蜃光 ー Shell of Phantom Light」(金沢21世紀美術館デザインギャラリー、2023)、「超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA」(三井記念美術館、2023)、「ポケモンX工芸展 美とわざの大発見」(国立工芸館、2023)、「ジャンルレス工芸展」(国立工芸館、2022)、「《十二の鷹》と明治の工芸-万博出品時代から今日まで 変わりゆく姿」(国立工芸館、2022)、「特別企画 和巧絶佳展−令和時代の超工芸−」(パナソニック汐留美術館、2022)ほか。