国際文化会館の文化交流・知的協力の歴史を、その創設から今日まで概観することを目的とした写真集である。約300点の写真で構成され、東西間の文化的差異を超えた対話の重要な場面を時系列に紹介することで、知的交流を通じて国際相互理解の増進をはかってきた会館の先駆的役割を明らかにする。補遺のエッセーには、ジョン・D・ ロックフェラー3世と松本重治の出会い、そして国際関係における文化の側面がもつ重要性に対し共通認識をもっていた2人の間に培われた友情から、国際文化会館が設立されるまでの経緯が綴られている。民間のイニシアティヴによる、国籍、職業、分野等のさまざまな境界を超えた文化の架け橋がもつ今日的意義を浮き彫りにする。