- スピーカー: アナンダ・ガラパッティ(2008年ラモン・マグサイサイ賞受賞/スリランカ)
- ファシリテーター: スーザン・バウティスタ・アファン/ラモン・マグサイサイ賞財団会長
- 配信時期: 2022年3月15日 6:00 pm(日本時間)
- 用語: 英語(日本語字幕付き)
- 共催/プログラム・パートナー:ラモン・マグサイサイ賞財団
- 共催:シャハニ・アソシエイツ株式会社
- 助成: 国際交流基金アジアセンター アジア・文化創造協働助成プログラム、一般財団法人MRAハウス、Tanaka UK Japan Educational Foundation
本セッションでは、医療人類学者で「メンタルヘルス・サイコソーシャル・サービス」(MHPSS)に従事するアナンダ・ガラパッティ氏が、紛争、災害、パンデミックなどによってトラウマを受けたコミュニティに対応するためのシステムをつくるMHPSS実践者ネットワークの拡大についてお話しくださいます。内戦を経験し、2004年に津波被害を受けたスリランカの経験から、紛争や災害の影響を受けたアジアの他地域はどのようなことが学べるのか。トラウマを受けたコミュニティは、どうしたらメンタルヘルス、サイコソーシャル・サポートを受けて変わることができるのか。2020年からコロナの拡大とロックダウンの繰り返しにより、自宅隔離によってDV被害を受けやすい女性と子どもたち、職を失い将来の見通しがたたない外国人労働者、オンライン学習にシフトした若者など最も影響を受けやすい人たちが浮き彫りになりました。アナンダ氏が共同創設したMHPSSはそのような方々にどのようなサポートを行っているのかについて語っていただきます。
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ガラパッティ氏は、1996年、内戦によって引き裂かれた母国スリランカに帰国し、ガミーラ・サマラシン(Gameela Samarasinghe)博士による心理社会的疫学調査に参加。この調査は、内戦の影響を色濃く受けた地域では戦争と暴力による心的外傷後ストレスを示す人が40-65%存在することを明らかにした。ガラパッティ氏は本調査を率いたサマラシン博士とともに「戦争トラウマと心理社会的サポート・プログラム」を立ち上げ、トラウマで苦しむ人々を支援。また、ガラパッティ氏は、2004年の津波の打撃を最も強く受けた地域であるバッティカロ地区におけるメンタルヘルスケアの支援を行う団体や個人のネットワーク「マングローブ」(The Mangrove)を共同で創設した。
アナンダ・ガラパッティ氏についての詳細はこちらから(英語のみ)
会長としてアファン氏は、アジア最高の賞といわれるラモン・マグサイサイ賞を統括する責任を担っている。財団のビジョンとミッションを具現化するために、氏は財団の運営、持続可能性、ガバナンス、寄付者との連携といった領域で戦略的リーダーシップを発揮している。
アファン氏は、米国のFortune 500に選出される企業へのグローバル・スタッフィングサービスを行うRobert Half Internationalに30年以上勤めた後、2014年にフィリピンに戻り、非営利セクターに従事。前職は、ABS-CBN放送ネットワークの市民社会機関であるABS-CBN Lingkod Kapamilya Foundation (ALKFI)のマネージング・ディレクターとして活躍。そこでは、理事長をはじめとする理事たちとともに、政策策定、戦略的目標、ファンドレイジング、運営管理などの部門が、子ども、環境、災害支援・復興を中心とした財団が掲げる主張に沿ったものになるよう尽力した。氏はアテネオ・デ・マニラ大学にてコミュニケーションの学位を取得。