- 講師: 石元 泰博(写真家)
- 聞き手: 中森 康文(米国ヒューストン美術館写真部門キュレーター)
- 日時: 2011年4月6日(水) 7:00 pm-
- 会場: 国際文化会館 岩崎小彌太記念ホール
- 会費: 無料(要予約)
- 用語: 日本語(通訳なし)
戦後日本を代表する写真家として世界的に名高い石元泰博氏をお招きし、美術史家でヒューストン美術館写真部キュレーターの中森康文氏と共に、1960年発行の石元氏と丹下健三氏による『桂―日本建築における伝統と創造』を中心に日本の戦後モダニズム芸術・建築と氏の写真の接点を再考します。石元氏は、街にあふれる題材をデザイン構成的に捉える特有の構図や、多重露光のテクニックを通して、日本におけるモダニズム写真とその造形思考・教育を定着させるうえで重要な役割を果たしてきました。本プログラムでは、石元氏の仕事を1950年代の日本における「伝統論争」などの歴史的なコンテクストに位置づけながら、バウハウスが戦後日本の芸術や建築に与えた影響、氏の写真の普遍的魅力の根源を探究します。
略歴:石元 泰博
写真家/1921年サンフランシスコ生まれ。1952年、シカゴ・インスティテュート・オブ・デザイン(現・イリノイ工科大学)写真学科卒業。1953年日本に戻り、桂離宮の撮影を開始。1961年以降、日本を基点に活躍。受賞歴:ヤング・フォトグラファーズ・コンテスト、ライフ誌(1950年)、モホリ=ナギ賞(1951年、52年)、第1回日本写真批評家協会作家賞(1957年)、カメラ芸術賞(1962年)、芸術選奨文部大臣賞(1978年)、日本写真協会年度賞(1978年)、紫綬褒章(1983年)、アルル名誉市民賞(1994年)、文化功労者(1996年)など。 主な作品集に、写真集『石元泰博 桂離宮』(六耀社2010)、『刻』(平凡社2004)、『YASUHIRO ISHIMOTO』(シカゴ美術館1999)、『石元泰博展シカゴ、東京』(東京都写真美術館1998)、『シカゴ、シカゴ』(美術出版社1969)、『桂―日本建築における伝統と創造』(丹下健三/ ウォルター・グロピウス共著、エール大学・造形社1960)、『ある日ある所』(芸美出版社1958)など。
写真 (C) Ishimoto Yasuhiro, From the series “Katsura” (1953-54)
Collection of the Museum of Fine Arts, Houston
2009.2.17 Gift of the artist in memory of Ishimoto Shigeru
略歴:中森 康文
米国ヒューストン美術館写真部門キュレーター。『桂―日本建築における伝統と創造』を分析する著書Katsura: Picturing Modernism in Japanese Architecture, Photographs by Ishimoto Yasuhiro (Yale University Press, 2010)は米国大学美術協会より2011 Alfred H. Barr, Jr. Award の一部門を受賞。美術史博士(近代美術・建築史)。