本イベントは終了しました。
- 登壇者:
山本理顕(建築家、山本理顕設計工場)
美馬のゆり(学習科学者、公立はこだて未来大学教授) - 日 時: 2024年9月20日(金)6:30~8:30 pm ※懇談会(終演後~8:30 pm)
- 会 場: 岩崎小彌太記念ホール
- 用 語: 日本語(通訳なし)
- 対 象: 国際文化会館会員(配偶者・パートナーの方もご参加いただけます。)
※当日、会場前の受付にて会員証のご提示をお願いいたします。 - 会 費: 5,000円/名(要申込み、お飲み物と軽食をご用意します。)
国際文化会館では、会員の方を講師にお招きした「会員特別講演会」を実施しております。9月は、公立はこだて未来大学の設計に携われた建築家の山本理顕氏と、学習科学者の美馬のゆり氏をお招きいたします。対談後に、質疑応答の時間と、軽食やお飲み物をご用意した懇談会も設けておりますので、会員同士の交流の機会としてもぜひご参加ください。
いまから約30年前、建築家、情報系研究者、学習科学者が協働して、公立はこだて未来大学の校舎が設計されました。その建築は2002年日本建築学会賞(作品)を受賞し、現在でも学校建築として高い評価を得ています。
建築家である山本理顕氏は、建築を通じたコミュニティ創出の点が高く評価され、今年プリツカー賞を受賞されました。公立はこだて未来大学の校舎完成後、山本氏は次のように述べています。「今回の体験は、建築はまだ捨てたもんじゃない、期待されているという実感である。ただ、その期待は私たちが『共感される空間』を提案できるかどうか、という期待である。と同時に『共感された空間』はすでに共有された空間である、ということはその実現のプロセスそのものも共有されている、その共有されることに対する期待である。」
建築設計プロセスに参加した学習科学者である美馬のゆり氏は、学習理論の変遷からこの空間で実現した根底にある学習理論について、『「未来の学び」をデザインする−空間・活動・共同体−』(2005年)を出版。当時日本ではまだ馴染みのなかった、「ワークショップ」や広義の意味での「デザイン」という言葉や概念を紹介し、生涯にわたる学びのあり方を提示しています。この本は読み継がれ、約20年を経て今秋新装改訂版として刊行されます。今回の山本氏と美馬氏の対談から、ミッションを帯びた空間の意味、その使い方、それを受け継いでいくプロセス、そして国際文化会館の未来についても語られることを期待しています。
写真:公立はこだて未来大学
山本 理顕(建築家、山本理顕設計工場)
©Tom Welsh for The Hyatt Foundation/Pritzker Architecture Prize |
1945年、北京生まれ。日本大学理工学部建築学科卒業、東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修了、東京大学生産技術研究所原広司研究室研究生。2007-2011年横浜国立大学大学院教授、2018-2022年名古屋造形大学学長、2022-2024年東京藝術大学客員教授、2024年より神奈川大学客員教授、横浜国立大学名誉教授・名誉博士、日本大学名誉教授・名誉博士(工学)。主な作品にGAZEBO、埼玉県立大学、公立はこだて未来大学、横須賀美術館、The CIRCLE チューリッヒ国際空港、名古屋造形大学など。桃園、天津、北京、ソウルなどでも複合施設、公共建築、集合住宅などを手掛ける。主な著書に『新編 住居論』(平凡社)、『地域社会圏主義』(TWOVIRGINS)、『権力の空間/空間の権力』(講談社)、『THE SPACE OF POWER, THE POWER OF SPACE』(『権力の空間/空間の権力』英語版、TWO VIRGINS)、『都市美』(河出書房新社)など。2001年「第57回日本芸術院賞」、2024年度プリツカー賞、文化庁長官表彰(国際芸術部門)受賞。
美馬 のゆり(学習科学者、公立はこだて未来大学教授)
撮影:鬼原雄太 |
東京都生まれ。東京から函館に移住して24年。気候・食・文化の豊かな函館の大ファン。電気通信大学(計算機科学)、Harvard大学大学院(教育学)、東京大学大学院(認知心理学)で学ぶ。博士(学術)。公立はこだて未来大学および日本科学未来館の設立計画策定に携わる。設立後は大学では教授(2000~)、科学館では副館長(2003~06)を務める。ボランタリー組織サイエンス・サポート函館を創設し、2009年から毎夏はこだて国際科学祭を開催。学生と共に教育格差、経済格差是正のため2023年NPO法人学び足しデザイン工房を創設。MIT Media Laboratory(2001~02)、UC Berkeley Center for Human-Compatible AI(2021~22)客員研究員。NHK経営委員(2013~16)、日本学術会議会員(2023~)。主な著作『「未来の学び」をデザインする―空間・活動・共同体』(東京大学出版会)、『AIの時代を生きる: 未来をデザインする創造力と共感力』(岩波書店)、『未来を創る「プロジェクト学習」のデザイン』(公立はこだて未来大学出版会)など。