クレイグ・アントニー・アーノルド Craig Anthony Arnold (作家)
2009年3月16日来日
クレイグの来日目的は、3作目の散文詩「An Exchange of Fire」の取材と執筆にありました。活火山地帯に焦点をあてたこの作品は、ギリシャやシシリアを舞台とする序章から始まりますが、クレイグは、メキシコやラテンアメリカの国々で集めた素材と日本で収集する素材をあわせて一つの作品にしようと考えていました。彼は活火山地域に住む人々の経験をとおして、何度も繰り返される文化的テーマやモチーフを検証していく手法をとっており、日本では田舎をめぐり歩き、主だった火山地帯をおとずれる予定でした。しかしながら4月27日、クレイグは鹿児島県の口永良部島での登山中に遭難したとみられ、現在も行方が分かっておりません。
このフェローシップへの応募書類に、彼は「この(火山)巡礼をとおして、災害が、自然災害であれ人工的なものであれ、一番身近なところにある世界の認識さえ、がらりと塗り替えてしまうことを伝えたい。」と記しています。
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パトリシア・チャオ Patricia Chao (作家)
2009年3月1日~8月1日
パトリシアは現在3冊目の小説「New World」にとりかかっていますが、この小説はブラジルのサンパウロと、そして日本を舞台にしています。ブラジルでの取材はすでに始まっていますが、日本をリサーチするにあたり、ここにしばらく住む必要性を感じました。パトリシアには半分日本人の血が流れており、日本に親戚もいるので、彼らに取材し登場人物の人物像を展開させようと考えています。今回の滞在の主な目的は、語学の習得や、日本文化の多様な局面を探り、各地へ旅することです。また物語の舞台の大部分となる温泉街に大変興味をもっています。
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ケヴィン・ジェイムズ Kevin James (作曲家)
2009年7月21日-12月22日
ケヴィンは現在、音楽のメロディやハーモニー、リズムの源として、世界中から絶滅、あるいは絶滅の危機にある言語を現地で録音し、インストゥルメンタルなマルチメディア音楽作品をつくる、という長期プロジェクトにとりくんでいます。ケヴィンが日本滞在を希望するのは、アイヌ語を学び、素材を収集して、それを元にマルチメディア作品を作るためです。現地の言語学者やアイヌ民族博物館、アイヌ文化振興会、Endangered Pacific Rim Project、アイヌ民族文化研究センターなどと協力する予定です。また、アイヌ語の録音や資料を持っている日本各地の大学図書館などを訪ねる予定です。
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ミシェル・コン Michele Kong (美術作家)
2009年10月6日-2010年4月20日
シンプルだが想像力を刺激するミシェルの作品は、現代の社会生活の殺気立ったスピードからのがれて、立ち止まり、よく考え、静けさを感じることのできる啓発的な空間をつくります。庭や建築をはじめとする日本の芸術は、常にミシェルのインスピレーションの源でした。日本での研究は、一連の新しいパブリック・アート・プロジェクトにあてられます。日本の神社仏閣やその他の聖地を訪問して、ひとの注意力をうながす様々な要素が、いかに日常生活にも融和しうるかを見極めたいと考えています。また東京に住み、東京のアートシーンを堪能する予定です。
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ジェーン・リグラー Jane Rigler (作曲家)
2009年11月4日―2010年5月1日
滞在中ジェーンは、日本各都市で著名なアーティストを巻き込み、新しい作曲に取り組むつもりです。伝統から実験音楽にまでわたる音楽家たち、ダンサーや作曲家と協力する予定です。また、建築や詩など様々な文化活動における、仏教美学の影響も調べたいと考えています。このプロジェクトは、すでに彼女の作品にみられる日本の影響を展開し、洗練させようとするものですが、具体的には、尺八と箏のための伝統音楽と伝統以外のレパートリーを研究し、電子的な即興音楽を学んで、舞踏ダンサーと共同し、仏教寺院や坐禅堂を訪問する予定です。
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年度別日米芸術家交換プログラムフェロー
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