※新型コロナウイルス流行の影響により、渡航予定がずれ込んでいます。
ロバート・ハッチソン Robert Hutchison(建築家)
2023年3月17日〜7月15日滞在
建築とインスターレションの分野における専門家、研究者、教育者として活動する。1996年ワシントン大学にて建築学修士号、1990年にドレクセル大学にて工学学士号を取得。米国シアトルを拠点とするロバート・ハッチソン・アーキテクチャーの代表であり、ワシントン大学の建築学部にて客員准教授を務める。2016-17年アメリカン・アカデミーより建築部門ローマ賞受賞、2010年日米芸術家交換プログラムフェロー選出、2009年アーキテクチャル・リーグ・オブ・ニューヨークよりイマージング・ヴォイス賞受賞。
2021年のフェローシップにおいては東日本大震災において被害を受けた東北・関東沿岸部の町村を訪問し、再建されたコミュニティと、津波対策におけるインフラの関係性についてリサーチする。写真、描画、住民への取材といった手法で記録し、後にそれを自身の構想プロジェクト「メモリー・ランドスケープ」に活かす。津波、水位上昇被害のリスクを抱える日本や米国沿岸部のコミュニティとインフラの関係性を探り、建築的ナラティヴや、あるいはそれに準ずるパラ・フィクション的計画を立案する。
マーク・ドクライブロー Mark de Clive-Lowe(作曲家/音楽家)
2023年4月10日~8月9日滞在
作曲家、ジャズミュージシャン、ピアニスト、リミキサー、プロデューサーとして20年以上の経験を持ち、ジャンルや活動の場を広げながら国際的に活躍している。両親はニュージーランドと日本の出身で、2008年から米国LAを拠点に多くのソロアルバムを出し、ケニー・ドープ、ジョディ・ワトリー、DJスピナ、シーラ・E、カマシ・ワシントン、エリック・ハートランド、ハーヴィ・マンソンといった世界中の名だたるミュージシャン、アーティスト、DJたちとコラボレーションしてきた。チコ・ハミルトンやシャーリー・ホーンの作品、及びブルーノートのレコードカタログから様々なリミックスを制作。2019年に発売したアルバム『HERITAGE』ではジャズとエレクトロニカという視点から、自身の日本人としてのルーツを深り下げる。米国・リッチモンドのLa Ceiba Festivalの筆頭レジデンス・アーティストであり、キュレーター、教育者、スピーカーとしても活躍する。
「常にフットワーク軽く、様々な音楽の港を巡るかのように活躍する、アヴァンギャルドな魂のピアニストであり、DJであり、プロデューサー。表面的に分野をまたぐのではなく、感情と精神丸ごと旅をしている」ハフィントン・ポスト評
亡き父は1953年から1973年の20年間を日本で過ごし、広島、京都、そして鎌倉に住みながら東京で働いていた。2011年に亡くなる前、日本で過ごした日々について綴った回顧録を書き息子マークに渡す。フェローシップではこの回顧録を頼りに父が戦後日本で過ごした場所を訪れ、自分が彼の子供であること、日本人のハーフであるという事実を踏まえた上で、父の経験に自分の経験を重ねる旅をする。この体験をもとに新作「In My Father’s Footsteps」を作曲し、日本の音楽家たちとのコラボレーションも行う予定である。
ダコタ・ギアハート Dakota Gearhart(ビデオアーティスト)
2023年7月19日~12月19日滞在
トランスメディア・アーティストとして、現代の科学技術がもたらす影響に注視し、エコフェミニストの世界観に基づき、現代の権力構造を劇的に脱構築するべく活動している。現在携わるアニメーション・ビデオ・プロジェクト「Life Touching Life」では、科学者、研究者、管理者を招き、意識と生物多様性との関係を観察し共有する。このシリーズでは、ギアハートは半分女性で半分藻のようなピクセルバクテリアという架空の種として登場する。過剰な色彩、ユーモア、サウンド、そして遊び心に満ちた空間は、彼女のコラージュベースの美学に共通する特徴である。作品は、ブロンクス美術館(ニューヨーク)、タコマ美術館(ワシントン)、セントピーターズバーグ美術館(フロリダ)、ディスジェクタ現代アートセンター(オレゴン)、ホースホスピタル(ロンドン)、ホース&ポニーギャラリー(ベルリン)、ラボ・アトワール(テッサロニキ、ギリシャ)、太原大学(太原、中国)で展示されてきた。またBRICデジタルメディアフェローシップ、フランクリン・ファーネス・フェローシップを受賞した。ニューヨークを拠点に、ニュースクールとニューヨーク大学で非常勤講師を務めている。
フェローシップにおいてはアニメーション動画シリーズ「Life Touching Life」に取り組み、リサーチをしながら日本の文化と生態学が交わる領域についての新作を制作する。特に、テングザメの孤独な生態や、現在注視されているニホンザルの性的指向、オーガニックのカタツムリを使ったエステを行うサロンなどに興味を持っている。滞在中、アイハウスを含めた日本の各所で上映会を行う予定である。
ヨナ・ハーヴェイ Yona Harvey(作家)
2024年5月来日予定
詩集『You Don’t Have to Go To Mars for Love(愛のために火星に行かなくていい)』『Hemming the Water(水のヘミング)』(フォー・ウェイ・ブックス出版)の作家・著者。クレアモント大学院大学よりケイト・タフツ詩賞受賞。マーベル・コミックの複数の作品に登場する架空国家「ワカンダ」の世界観確立に貢献し、『ブラック・パンサー&ザ・クルー』をタナハシ・コーツと共著。また、クリエイティヴ・ノンフィクション誌協力のもと、メンタルヘルスを取り扱う作品をティーンエイジャーたちと共に執筆。米国ペンシルバニア州ピッツバーグに在住し、ピッツバーグ大学のライティング・プログラムにて准教授を務める。
フェローシップでは地図について学び、ピッツバーグ出身の詩人、パフォーマーのジョエル・ディアス=ポーターの『landscape poems(風景の詩)』から着想を得た、明快で、かつ視覚的な詩を制作する。漫画原作を手がけて視覚的デザインの見識を得たことで、これを詩の中で探求したいと考えた。作品は自身が住むピッツバーグ北部にも焦点を当てる。中にはメモ書きや等高線図を描くような緩い感覚を活かした、ルポルタージュや写本のような作品もある。女性が、自分のルーツに準ずる風景を記すこと、世界のコミュニティを象ること、詩の表象の限界を突破するといったことに着目する。
リー・ソマーズ Lee Somers(陶芸家)
2023年5月19日~8月18日滞在
アルフレッド大学芸術デザイン校で学び、1999年に学士号、2006年に修士号を取得。作家ウェイン・ヒグビーの助手を数年勤め、中国との文化交流プログラム開発にも携わる。現在は米国アラバマ州、モンテバロ大学で教鞭をとる。作品では自然と文化の要素を組み合わせた風景を陶器で描く。コラージュの手法を基軸として、時間と空間の経験を反映させた構図に、異なる素材とモチーフを多層的に重ねて制作する。これまでの作品は国内外で広く展示されている。
フェローシップにおいては北陸・越前を拠点に、六古窯やその他工芸の里をはじめ、あらゆる日本の遺産を回る予定である。各地を訪れながら素材を集め、技術や構想について学び、創作の幅を広げながら日本の窯にまつわる遺物、歴史、文化への理解を深める。最終的にはこの経験を反映させ、伝統と現代的な解釈を組み合わせた作品群を作ることを目標とする。並行して作品とその影響を記録した論文を執筆し、レジデンシー終了後一年以内に発表する予定。
年度別日米芸術家交換プログラムフェロー
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